スペシャル対談 藤本裕子が各界トップに迫る!

スペシャル対談 藤本裕子が各界トップに迫る!

金メダルをむしゃむしゃ食べたい

織田信長の末裔と注目され話題となるが、2005年の世界ジュニア選手権優勝以来の活躍ぶり。今シーズンはグランプリシリーズ〜スケートアメリカの優勝、NHK杯2位、全日本選手権2位の好成績で、押しも押されもせぬ男子フィギュアスケートのトップ選手に。カナダのリー・バンケル、実母の織田憲子両コーチに支えられた、豊富なバリエーションと回転の速いスピン、ランディングの美しいジャンプが持ち味。明るいキャラクターで世代を超えた人気を誇る、織田信成さんの素顔に迫る!

 

フィギュアスケート選手 織田信成さん
おだ のぶなり 1987年高槻市出身、在住。高槻市立第二中学校、大阪府立阿武野高等学校卒業。現在は関西大学文学部総合人文学科英語英文学専修在学。関西大学アイススケート部所属。[2004-2005]全日本ジュニア選手権1位 、全日本選手権3位 、世界ジュニア選手権1位 [2005-2006]近畿選手権1位 、スケートカナダ3位 、NHK杯1位 、GPファイナル4位 、全日本選手権2位 、四大陸選手権1位 、世界選手権4位[2006-2007]近畿選手権1位 、スケートアメリカ1位 、NHK杯2位 、GPファイナル3位 、全日本選手権2位の戦績を誇る。戦国大名・織田信長17代目の末裔(七男・信高の流れを汲む)としても注目される。

リンクが保育園代わりでした

藤本 お疲れ様です。練習を拝見させていただき、ありがとうございました。やはり生で見るのとテレビとでは感動が違いますね。

織田 長時間見てくださってありがとうございます。それより寒くなかったですか。

藤本 大丈夫です。防寒着で来ましたから。それにしても立派なスケートリンクですね。

織田 関大にはぼくたちアイススケート部のほかにアイスホッケー部もあり、関西学生アイスホッケーリーグで優勝するほどの実力です。昨年できたばかりですが、素晴らしい設備で、とても恵まれています。

藤本 今やフィギュアスケート界をリードする織田さん、 橋大輔さん(文学部3年次生)がいるスケート部ですもんね。織田信成さんとの対談写真 その1

織田 ずっと練習場として使用してきたリンクが3年前に閉鎖となり、練習場の確保が難しくなっていたんです。ぼくらにしたら幸い。多くの方々のおかげで、昨年7月に関西大学アイスアリーナができました。

藤本 織田さんだけでなく、ジュニアの皆さんも一緒に練習されるんですね。

織田 関大スケート部のコーチでもある母が、もともとジュニアのスケート教室をやっていまして、今日も合同の練習日でした。単独で滑る日もありますが、スケート部のメンバーや 橋さんとも一緒に滑りますよ。

藤本 先輩、後輩のお2人ですが、とても仲が良いんですって?

織田 ええ。勝負のときは真剣ですが、普段はとても仲が良い。 橋さんはぼくが持っていないものを持っているし、ぼくにはぼくのスケートもある。お互いに刺激し合っているところもありますね。

藤本 小さい子たちにしてみたら、夢が広がるし、すごく勉強になるでしょうね。

織田 刺激されるというか、教えてもらっているのはぼくのほうです。みんなうまいし、すごくがんばっていますからね。

藤本 初めてスケートリンクに立ったのは何歳のときですか。

織田 家の近くにリンクがあって、2歳のときから母に連れられて通っていましたから、保育園代わりでした。本格的に母に習うようになったのは5歳のときです。あるとき母がこう言ったんです。「ホッケーとスケートとどっちにする?」って。とっさにぼくは「スケート」と答えたんです。今思えば、母の作戦勝ちですね。織田信成さんとの対談写真 その2

藤本 NOはなかったんですね。

織田 昔から母はめちゃめちゃ厳しくて、どつかれたことも何度もあります。怒られてはすねて、泣いて。小6から中2くらいまでの間に「もうやめよう!」と何度思ったことか。家出も常習犯でした。

藤本 家出って、どこまで行くんですか。

織田 自転車ですから、せいぜい隣町までです。途中でおなかが空いて、仕方なく家に帰って「ごめん」と言うんです。

藤本 そんなことがあっても、スケートを続けてこられたのはなぜですか。

織田 骨折して入院した時期が反抗期と重なり、「もうこれでやめよう」と。母にも反発ばかりしていました。それでも「絶対やめるな」と引き止めてくれたのは母です。

藤本 スケートが「面白い」と思えるようになったのはいつごろですか。

織田 初めて大会に出たのは7歳のときですが、そのときは成績はあまりよくなかったんです。中3で出場した全日本ジュニア選手権でまあまあの成績を出すことができ、そこから徐々に自信をつけて、国際大会にも出ることができるようになりました。選手たちにとって、全日本のジャケットは憧れなんです。自宅に送られてきたときは、うれしくて着て寝ましたよ(笑)。

藤本 世界の舞台はいかがでしたか。織田信成さんとの対談写真 その3

織田 緊張はありましたが、ベルリンでの国際大会「ケンペン杯」で優勝することができたときに初めて、大会のためという目標が明確になり、「好成績を残そう」という気持ちが芽生えたんです。

藤本 日本代表という大役ですもんね。

織田 海外のいろんなところに行ってみたいという単純な気持ちもあり、自分の中に「がんばろう」という意欲が生まれました。スケートが楽しくなったのは、中3でトリプルジャンプをやるようになってからです。

藤本 先ほど目の前で演技を見せていただきましたが、ジャンプの高さといい、回転の速さといい、本当に素晴らしい! うっとりと見入ってしまいました。

織田 何度も転んでいたでしょ?

藤本 着地が決まったときは、「どうだー!?」というような自信に満ちた表情でしたが、転んだときはかなり痛そうでしたね。

織田 うまくいったときは快感ですが、転んだときは足だけじゃなくて、おなかにも意外とすごい衝撃があるんです。ねんざや打撲は当たり前。おしりもアザだらけです。

藤本 テレビで拝見していると、転んでもすぐに立ち上がって演技を続けていますが、大変なんですね。

織田 そのときは不思議と痛みを感じないものですが、あとから痛くなって…(笑)。織田信成さんとの対談写真 その4

藤本 取材に際し、この1年間の織田さんをVTRで拝見したんですが、最近の成長ぶりは目覚ましいですね。安定したスケーティングだけでなく、少年から大人の男性へと変化していく様子に、ハッとさせられるところも…。先日テレビで織田さんを拝見していましたが、彼女がいると公言されていましたね。

織田 べつに隠すこともないな、と思って。

藤本 そんなところも潔いというか、爽やかで好感が持てる。応援したくなります。でも普段から練習が多いし、海外遠征などであまり会えないんじゃないですか。

織田 家が近いから毎日会えるんです。

藤本 青春しちゃってますね。

織田 スケートを応援してくれますし、ぼくがよくしゃべるので、「ふーんそうなんだ」と、彼女は話を聞いてくれる役です。

「オーラないね」と言われるんです

藤本 どんな私生活を送っていますか。

織田 大学では普通の学生と同じ。文学部総合人文学科英語英文学専修に在籍し、勉強もしています。練習以外ではお笑いを見たり、音楽を聴いたり。彼女とはウインドーショッピングに出かけるのが好きですね。

藤本 これだけの活躍ぶりですから、大学ではいろいろ言われたりするでしょう?

織田 それが全然なんですよ。ちょっとは何か言ってほしいのに、言われるのは「めちゃめちゃオーラないな」とか、隣の席の子に「消しゴム拾って」とかですよ(笑)。

藤本 織田さんのキャラクターですね。みんなに愛されているのがよくわかります。

織田 年に数回は海外で生活していますので、大学に行けないときもある。それなのに、行ったときはみんな普段と変わらず接してくれるというか。特別じゃなくて、普通に仲間になれるのがうれしいんです。

藤本 織田さんというとどうしても、昨シーズンのNHK杯で優勝したときの、顔をくしゃくしゃにした「大泣きのシーン」が印象的です。あそこまで自分を隠さずに表現されると、見ている私たちも感動です。

織田 あのときは失敗があって、まさか優勝なんて考えてもいなかったので、思わずドバーッと涙が出てしまったんですね。織田信成さんとの対談写真 その5

藤本 対照的に、見ている私たちもショックだったのは、採点ミスで優勝を取り逃がした昨シーズンの全日本選手権でしたね。2位も素晴らしいには違いないけれど、「天国から地獄」の心境ではなかったですか。

織田 ショックはありましたが、その晩、母やコーチと話し、翌日から「次に向けてがんばろう」と気持ちを切り替えることができました。でも、それがあったから今のぼくがある。ぼくの人生にとっては大事な場面だったんだと思うんです。どの瞬間も無駄はない。常に一生懸命にやるだけです。

声援が多いほどがんばれます

藤本 聞くところによると、織田さんは、試合でもあまり緊張しないタイプだとか。

織田 日々の練習がすべて。「これだけ練習をやってきたんだ」という自負もあって、試合以前に満足しちゃってるぼくがいます。失敗はすべて自分の責任。冷静に受け止め、反省してすぐまた次を目指せばいいと。織田信成さんとの対談写真 その6

藤本 本番のプレッシャーの中で、あれだけのものを出せるのは天性のものなのでしょう。会場を魅了し、客席から拍手が起こるときなどはどうですか。音楽が聞こえないんじゃないかと見ていて心配になります。

織田 拍手や声援はとてもうれしいです。会場がノッてくるとテンションが上がり、実力以上のものが出せるような気がします。

藤本 3回転か、3回転半か、4回転か、速すぎて見えませんが、目は回りませんか。

織田 3回転は中2でマスターしましたが、4回転は今でも難しい。ぼくも「ようこんなに回るな」って思います。遠心力で筋肉に負担がかかり、結構きついんです。ジャンプの着氷は腰に負担がかかり、痛めてしまう人も多いんですよ。

藤本 フィギュアスケートといえば、音楽も楽しみのひとつですね。

織田 今回は「美しさ」を表現するという課題もあって、ちょっと苦手です。いつもコーチや振付師さんと相談して決めますが、ぼく自身はわりとコミカルな曲が好きです。織田信成さんとの対談写真 その7

藤本 昨シーズンの『座頭市』の演出も素晴らしかったですね。あれは織田信長というルーツを意識されたのでしょうか。

織田 よく話題にされますが、あまり意識はしていません。海外では、外国人は戦国大名も天皇も区別がつかないらしく、「エンペラー?」なんて聞かれるんですよ(笑)。

藤本 実際に織田さんの活躍を拝見していると、やっぱりDNAはあるのかなって。

織田 勝負に燃えるところは同じかもしれませんが、父は落ち着いた秀才タイプで、母は負けず嫌いのスポーツマンタイプ。どちらかといえば、ぼくは母の血をたっぷり引いちゃっています。

自分を輝かせてくれるフィギュア

藤本 優秀な選手だったお母様ですが、今もコーチをなさっていますね。織田さんから見て、どんなお母様ですか。

織田 人一倍努力家でがんばりやですね。今もスケートだけではなく、家族のこと、家のこともしっかりやってくれています。音楽関係の仕事で深夜に帰る兄を待って、ごはんを食べさせて寝て、早朝にはぼくのために練習に出ます。ぼくがここまでやれているのは、本当に母のおかげなんです。

藤本 それがキス&クライ(※)でのお母様と抱き合って喜ぶシーンにつながるのですね。

織田 それはもう、言葉ではありません。

藤本 キス&クライでも、あまり表情を見せない選手もいますが、やっぱり織田さんのように自然体がいいですね。今回も織田さんの取材だといったら、みんなが「いいな〜。がんばってって言ってきてね」って。

織田 ありがたいですね。

藤本 子どもたちから預かった20の質問がありますので、一問一答でお答えください。

 * * 下の囲み参照 * * 

藤本 では、私から最後の質問です。織田さんにとって「スケート」とは何ですか。

織田 自分を輝かせてくれるものですね。ぼくは、勉強も運動もダメ。走るのも「どべ」で泳ぎもヘタ。サッカーではキーパーの横で球拾いです。そんなぼくの唯一の取り得がフィギュアスケートです。

藤本 今は世界のステージでも、誰よりピカピカに輝いていますよ。

織田 やはり2010年のオリンピックで金メダルを取って、本当に輝きたいですね。織田信成さんとの対談写真 その8

藤本 織田さんならきっとやってくれると信じて応援しています。金メダルを取ったら、どんな場面を見せくれるのでしょう。

織田 あんまりうれしくて、金メダルをむしゃむしゃ食べちゃうかもしれません(笑)。

藤本 今日は、織田さんの素顔にふれることができて楽しかったです。子どもたちの質問にも快く答えていただき、ありがとうございました。まだシーズンは続きますが、けがをしないようにがんばってください。

※キス&クライ/フィギュアスケートで選手とコーチが競技終了後に、得点を待つコーナーのこと。喜びと悲しみが交錯する場所であることからこう呼ばれる。

子どもたちから20の質問

(1) Q:もしスケート選手でなかったら? A:たぶん、プー太郎

(2) Q:スケート以外に好きなこと? A:映画鑑賞とお笑い

(3) Q:跳ぶのはこわくないですか? A:楽しいけど、回り過ぎると気持ち悪くなる

(4) Q:コーチに言われてうれしい言葉、イヤな言葉 A:おまえスゲーな。ヘタクソ!

(5) Q:好きな選手は? A:ロシアのエフゲニー・プルシェンコ選手

(6) Q:あだ名は? A:オダリン

(7) Q:試合前に必ずすることはありますか? A:バナナを食べる

(8) Q:一番好きな食べ物は? A:焼き肉

(9) Q:苦手なものは? A:ホラー映画

(10) Q:どこに住みたい? A:スイス。『アルプスの少女ハイジ』に憧れる

(11) Q:関西大学の良いところは? A:みんなめちゃめちゃ明るくて面白い

(12) Q:一曲滑るとどのくらい疲れるの? A:800メートルを全力疾走したとき以上

(13) Q:おこづかいは1か月いくら? A:今は2万円。中学時代は1000円でした

(14) Q:アルバイトしたことある?ない。 A:コンビニエンスストアでやってみたい

(15) Q:今の自分があるのは? A:母と、もう一人、カナダ留学をすすめてくれた、当時の日本スケート連盟強化部長のおかげ

(16) Q:英語はペラペラなの A:カナダでホームステイしているので生活はできる

(17) Q:彼女はどんな人? A:中学時代の同級生。面白くてやさしい人

(18) Q:スケート選手仲間とは仲が良いの? A:はい。日本ならカラオケとかも行く

(19) Q:何をしてるときが楽しい?リンクの上。 A:誰かと笑って話してるとき

(20) Q:みんなにメッセージをお願いします A:いじめとかつらいことがあっても逃げないで。楽し 
  いことや自信の持てるものがきっと見つかるから

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