藤本 先日のバルセロナ(世界水泳選手権大会)では銀メダルおめでとうございます。
山本 どうもありがとうございます。
藤本 あの7月23日は、25歳の誕生日だったそうですね。マスコミは「人生最良の誕生日に、悲願のメダル獲得!」と報じましたよね。
山本 誕生日は偶然でしたが、これまでメダルに縁がなく、取りたくても取れなかったので、やはりうれしかったですね。みんな「世界大会」を狙って照準を合わせてきますので、そこで勝つことは本当に難しいんです。勝ったことでぼくの自信にもなりますから、その意味は大きいですよね。
藤本 パートナー・千葉すずさんへの喜びのパフォーマンスも話題になりましたね。
山本 ハハハ。ガッツポーズのあとにとっさに出たアクションだったんですが、当の本人(すずさん)は掲示板を見つめていたので見損ねたらしいですから、いい加減なもんです。ぼくらが結婚していたことを、知らない方が多かったんですね。なぜか、クローズアップされてしまいました。
藤本 夫婦そろって世界選手権のメダリストというのはすごいことです。
山本 実際、彼女のほうが早くから活躍していたし、功績は大きいですからね。
藤本 週刊誌のようですが、すずさんとはいつごろからのおつきあいですか。
山本 小学校のときから同じプールで泳いでました。歳は2つ違いでしたが、ぼくら男子は、いつも彼女をからかったり、ちゃかしたりしていましたね。向こうも何となく心を開いてくれて、ぼくらのグループとは仲良かったですからね。
藤本 それが特別になったのは、いつのころからですか。
山本 アトランタ遠征のころだったかな。目標を持って一緒に戦っていくっていう、そういう特別な場所でしたから。それにしても向こうは記録をどんどん伸ばしていて、「すごいなぁ!」と感心してましたね。
藤本 まだちょっと遠い感じ?
山本 いつも近くにいたけれど、気持ちの上では「先輩」というか。でも昔から、なぜかぼくだけはタメ口をきいてましたね。
藤本 結婚生活はいかがですか。今はカナダにお住まいだそうですが。
山本 カナダはのんびりしていていいですよ。バッド・マカリスターコーチの下で毎日3時間くらい泳いでいますが、彼は以前、すずのコーチだったという関係で、彼女もいいカタチで見守ってくれています。時には練習を見に来たりもします。
藤本 「二人三脚」という感じですか。
山本 大げさなものではありませんが、料理も上手だし、身の回りのこともしっかりやってくれていますので、感謝しています。
藤本 ご自身は結婚して変わりましたか。
山本 「責任感」が生まれましたね。水泳も仕事も、結果を残していかなきゃいけないと思います。それから彼女がすごいのは、いろんな視点を持っているところですね。
藤本 どんな風に?
山本 ぼくは水泳しかやっていませんから社会のこともわからないことが多いのですが、彼女はいろんな世界を知っています。「観察力」があるというか「嗅覚」が働くというか、「人」を見て瞬時に感じとることができるんです。いろんなことに興味を持って勉強したり、挑戦したり。一緒にいると、まだまだ学ぶところが多いですね。
藤本 素晴らしいですね。貴司さんがすずさんの良さを理解し、表現できるところが素敵です。それでは、貴司さんにとっての人生の師、影響を受けた人はどなたですか。
山本 やっぱり両親ですね。とくに親父は、同性として見習うところが大きいですよ。