スペシャル対談 藤本裕子が各界トップに迫る!

スペシャル対談 藤本裕子が各界トップに迫る!

私らしく I’m OK! 色彩心理カウンセラー 木村千尋さん

ストレス社会の今こそ、大切にすべきは「人」の関係。人間の心を癒し、支える学問として、また快適な生活空間の演出としても注目されている「色彩心理学」。アメリカへ留学し、心理学、カラーコーディネートを勉強。色彩心理カウンセラーとして多方面で活躍中の木村千尋さんに、「色」の持つ力、女性としての生き方などを伺った。

 

色彩心理カウンセラー 木村千尋さん
きむら ちひろ  1952年生まれ。米国イリノイ州立大学心理学修士課程修了。サンフランシスコ・アートスクールでカラーコーディネートを学ぶ。その後シトラス大学の研究科に所属し、心理学全般と声帯心理学の研究を行う。カウンセリングの資格を修得。出産後、英語教育に携わると共に児童心理学と色彩心理学を大学・短大で指導。学校や幼稚園、企業や諸団体に向け、色彩心理学を使った研修や講演活動を展開。ショーやイベントのトータルコーディネートをはじめ、諸施設のカラープロデュースや福祉住環境コーディネーターの養成も行う。また、阪神大震災の経験によりカウンセラー養成に尽力している。
●NPO日本心理カウンセリング協会
http://www.zcounseling.org/aboutjapc/aboutus.htm

子育ての毎日はすべてが発見だった!

藤本 木村さんのいう「色彩心理学」というのは、どういうものなのでしょう。木村千尋さんとの対談写真 その1 

木村 一言でいうと、人間の心を癒し支える学問です。つまり、人が暮らしていく中では、快適な生活空間をどうつくるかが大切なテーマで、それには「色」というものが大きく影響しているということです。

藤本 現代のようなストレス社会には、欠かせないものですね。

木村 今でこそあらゆる場面に取り入れられている色彩心理学ですが、私が本格的に仕事をスタートした1978年当時は、「色彩心理学」という言葉など、知る人もない状況でした。

藤本 木村さんがこれに関わられたのは、どのようなきっかけからですか。

木村 子どもの出産です。もっと詳しくいうと、スタートは児童心理学ですね。

藤本 大学時代に、児童心理学を勉強されたのですか。

木村 いいえ、大学は英文科でした。そのころの私は、当たり前に大学に入って勉強もそこそこ、そして何となく就職…。当時は4年制の大学を出たらお嫁にいけないという時代でしたので、「結婚」が大きなテーマだったのです。

母親の経験からカラーのスペシャリストへ

藤本 ごく平凡な女性に何が起こったのでしょう。

木村 結婚、出産と、理想的な幸せのレールに乗っていました。ところが、ひとりの母親になったとき、不安に襲われた。子育てに、全く自信が持てないのです。

藤本 大学、就職とスムーズに進まれた木村さんが、母親になった途端に自信をなくされたのですか。

木村 子どもの気持ちがわからず、とにかく子どもの心理を知りたかった。だから児童心理学を学んだのです。

藤本 すごいですね。自分の子どものために勉強するなんて。

木村 ところが問題は、教授が話していること。つまり心理学の本に書いてあることと、私の子育ての中で起きていることが随分違ったんですよね。

藤本 どんな発見があるのですか。

木村 たとえば、ひとつの色を見せると子どもがどう反応するかとか、子どもに着せた服の色や寝室の天井の色、壁紙やカーテンの色や柄が子どもの心理とどう関係するかなど、毎日の子育ての中で次第に明確になってくるのです。子育てをしながら、たくさんの臨床データが取れました。

藤本 木村さんにとっては、子育ての場が、まさに臨床(実験)の場だったのですね。

木村 子どもを見ていると、不思議なくらい心理状態がわかってくる。それで初めて、私は自分の子育てに自信が持てたのです。

藤本 すごいのは、子育てと学問を一体化させてしまったところですね。

木村 子どもが好きだったことが大きいですね。もっと児童心理を学びたいと思い、とうとう留学をしてしまいました。心理学を学んでいく中で、さらに行動心理学、社会心理学、教育心理学と広がり、最終的にはどの学問にも「色」というものが深く影響していることに気がついたのです。

藤本 そのころは、子連れで留学する人は珍しかったのではありませんか。

木村 そうですね。近くには姑や親戚もいて、かなり干渉されていました。窮屈を感じて「家を出たい」と訴えたこともありましたが、夫は私を非常に理解していて、「君には4畳半1間の生活はできないよ」と。今思うと、彼が一番の応援団だったのでしょう。彼も勉強で日本を離れることが多かったですし、私と子どもも日本と海外を行ったり来たりという生活でした。

藤本 お互いの生き方を尊重できる夫婦なんて、素敵ですね。言うのは簡単ですが、現実はなかなかそうはいきません。ましてやお子さんが小さかった…。

木村 小学校に入る前です。子どもが学校へ上がると(学校を)休めなくなるので、幼児期の今がチャンスだと思ったのです。

藤本 普通の発想だと、子どもが大きくなってから勉強しようとしますが、木村さんの場合は反対なんですね。木村千尋さんとの対談写真 その2

木村 思い立ったときが一番でしょ。私の場合は、子どもの成長と共に学んでいるので、いつから勉強しようと考えるゆとりもなく、毎日の子育てが発見でした。たとえば乳児期は、母親が選んで赤ちゃんの生活環境をつくります。おもちゃから洋服から部屋の色まですべて。子どもは選ぶことができませんからね。ところが幼児期になると、子どもは自我の発達と共に自分で選ぶという行動を始めます。つまり、その子の育った環境が大きく影響するのです。

藤本 それはセンスにもつながるのですね。母親としては、ドキッとします。

木村 わが子の成長過程で、とくに私がこだわったのが「色」でした。これがすべてに影響していると感じたことが、私の「色彩学」の始まりです。

藤本 それにしても、多くの母親たちが毎日の子育てにゆとりも持てずに暮らしているというのに、木村さんは見事に子育てと学問の両立を、いえ、「融合」を果たされたのですね。しかもその経験を、今はビジネスとしてつなげています。

木村 最初からビジネスをしようと思ったのではありません。子育てをし、地域づくりからのスタートでした。だって、いくら児童心理を学んでも、就職先があったわけでもないし、子どももいたわけですから、すぐに仕事など考えられません。むしろ、私は家庭にいることが好きでしたし…。

藤本 どんなことを始められたのですか?

木村 たとえば、絵本の読み聞かせです。これからは多言語の時代になると確信し、子どもがお腹にいるときから、海外のきれいな絵本で、英語で読み聞かせをしていました。そんな経験から、近所の子どもたちを集めて「ご本を読んであげるね」と。いつの間にかたくさんの子どもたちがわが家に集まってきました。おかげで一人っ子の息子はいつも友だちに囲まれ、それは楽しい毎日でした。

お母さんたちを笑顔にしたい

藤本 地域では、木村さんの存在って大きかったでしょうね。

木村 子どもだけじゃなく、今度は母親たちに海外生活で学んだ簡単クッキングやクリスマス飾りの配色を教えてあげたり。そのほかにも、海外から留学生を受け入れたりと、とにかくいろいろな人が集まってくる家庭でした。

藤本 そういう子育て期があったからこそ、今のビジネスがあるのですね。

木村 ビジネスというよりは、自然発生的に起こった仕事ですね。英語を教えることからスタートしたのですが、単なる英会話スクールではありません。心理学や色彩学はもちろん、海外の経験なども取り入れ、トータル的にバランスのとれた英会話スクール。英会話を学びながら、親子のメンタルな部分のケアも考慮しました。

藤本 それらすべてが、ご自身の経験によるものというのはすごいことですよね。

木村 母親たちに、私のように笑顔で子育てをしてもらいたい。子どもを預けることさえタブーの時代でしたから、母親のメンタルな部分を解決するために、ベビーシッター業もスタートさせました。母親たちが自由に学んだり、仕事をする環境などほとんどありませんでした。私自身が困るからつくったという、シンプルな発想です。

藤本 母親たちにとっては、木村さんは心強い味方であり先生であり、また、女性としても憧れの存在だったでしょう。

木村 私、若いころに甲状腺の病気をしたんです。手術をすると跡が残るといわれ、まだ20代だったので手術をしないほうを選んだのです。そのときドクターが夫に、「ストレスの病気ですから、奥さんを自由にしてあげてください」と、おっしゃったのです。

藤本 木村さんほど自分らしく、自由な生き方をしていらっしゃる方はいないと思いますが…。

木村 私もそう思っていました。自分はこんなに自由なのにストレスなんて考えられないって。でもよく考えると、どこかにいい嫁にならなくては、いい母親にならなくては、いい妻にならなければ…。つまり自分が「must〜ねばならない」で生きていたことに気づいたのです。自由に海外に行ったり、好きなことをしていましたけど、その分余計に、無意識に周りの目を気にしていたのでしょうね。

藤本 すごくよくわかります。それは多くの母親にいえることです。いい母親、いい妻でいたいという見えないプレッシャーですね。むしろ私は、木村さんも普通の人なんだと、少し安心しました…。

木村 私の場合は自分で心理学を勉強していたおかげで、クリアできたのです。 心理学で学んだことは、Im OK であれば、You are OK すべてこれが基本でしょ。つまり、自分が幸せだったら周りも幸せになれる。それが理解できて、私が変わったことで周りも随分変わってきたようです。

藤本 心理学を学んだことが、木村さんにとっての大きな収穫になったのですね。では実際に、私たちの生活の中では、色がどのような役割を持っているのでしょうか。

子どもの発達に大きく影響する色とは?

木村 人間って1000万色もの色を識別できるんです。でもそれができる人とできない人がいる。そ木村千尋さんとの対談写真 その3れは子どものころに多色を見ているかどうかです。大脳生理学といって脳の研究につながっています。たとえば、若いころから多色を見てきた人は痴呆症になりにくいというデータもあります。

藤本 色って大切なんですね。もううちの子は手遅れかも…。

木村 家族で生活するテーブルクロスやカーテンも大体お母さんが選びますよね。

藤本 どんな色や柄がいいのですか。 

木村 地域にもよりますし、一概にはいえません。たとえば太陽光、窓の位置にもよります。私たちはサーカディアンリズム(※1)というリズムで生活しているのですが、24時間が少しずつずれていき、それが睡眠障害や脳にも影響を及ぼします。太陽と共に生活できていないのです。

※1 サーカディアンリズム/すべての生物に共通の基本的な生体の周期で、 24時間を単位にめぐる生体のリズム。

藤本 しょっちゅう徹夜をしている私なんて、生活のリズムは最悪でしょうね。

木村 最近は、子どもの生活リズムがくずれています。本来は、ぐっすり眠ってバイオリズムの中で自然に目覚めるのです。ですからカーテンの素材や透過度が影響する。かわいいキャラクターのカーテンなどは、右脳教育や発想力の手助けにはなりません。かえって創造性がなくなるのです。

藤本 子ども部屋には、ついかわいい動物や花柄のものを使ってしまいますよね。

木村 幼児期の子どもは、大人が見るよりも青味がかって見えています。識別できる色も限られていますから、クレヨンの色も少ない。つまり、グレイッシュ(※2)な色よりもビビッドな色のほうが脳に刺激を与えやすい。つまり活動的になるというわけです。

※2 グレイッシュ(Grayish)/灰色がかったという意味。渋く、落ち着 いた感じの色。

今の自分を常にエンジョイする

藤本 今は、スクールカウンセラーとしても、学校で子どもたちのメンタルケアをなさっているそうですが、これもやはり「色彩」という側面からですか。

木村 色彩心理ですね。臨床芸術療法といって、絵を描かせることでメンタルケアをします。個別対応もしていますが、予約がとれないくらい依頼が多いですね。そんな状況もあって、NPO日本心理カウンセリング協会(※3)を立ち上げたのです。

※3 NPO日本心理カウンセリング協会/教育、家庭、ビジネス、医療、 福祉等幅広い分野で人間関係を良好にするという広義な意味のカウ ンセリング技能を普及させることを使命として2002年に設立された。

藤本 どんな活動をしているのですか。

木村 ホリスティックという医学をご存知ですか。たとえば、気功や太極拳などがそうです。この協会にはドクターはもちろん、弁護士などもメンバーに入っています。

藤本 専門家のネットワークですね。

木村 日本に住む外国人にも対応できるしくみを考えています。

藤本 施設の内装や配色など、インテリアから空間プロデュース、ほかにも外資系企業のイベントプロデュースなど、多岐にわたるご活躍ですが、これまでに、どんな施設を手がけられたのですか。

木村 高齢者の施設や公共施設、学校関係が多いですね。つまり、これからは「環境カラー」が重要なんです。色はすべての環境を左右しているんです。

藤本 洋服の色も環境のひとつになんですね。木村さんの今日のお洋服は「黒」。とてもシックな印象を受けるのですが。

木村 黒はストレスを受けにくい色なんですよ。

藤本 コバルトブルーのネイルも、黒の服に鮮やかで、とても素敵です。

木村 今度、生徒を連れてハワイでドルフィンセラピーをするんですよ。水着を着ることになるので、ダイエットにいいブルーにしてみました。

藤本 ダイエットにはブルーですか。そんな風に全部わかってしまうなんていいですね。最後に木村さんの夢をぜひ…。

木村 世の中の役に立って人生を全うしたいですね。今やっていること、それが自分の生き様なんです。プライベートでは、最近ジャズを習い始めました。仕事とは関係のない趣味を持ったことで、仕事オンリーだった母を見ていた息子が一番喜んでいます。ジャズを歌うと汗びっしょり。かなり緊張します。それでまたいろいろな気づきがありました。次は、音楽と色をコラボレーションさせてみようと企ん木村千尋さんとの対談写真 その4でいます。

藤本 しっかり職業病してますよ。生活の中で感じたことすべてが仕事につながってしまうのですね。今後もこの調子で研究は日々進化していくのでしょう。

木村 そう、いつも今の自分を楽しめるんです。常に I m OK の私なんです。

藤本 木村さんにお会いして、私も元気になれました。ありがとうございました。

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