小篠 私は、毎日が挑戦。「チャレンジこそ人生」やと思っています。
藤本 目的や目標があるから人は輝いて、それを見て、人はまた元気になれる。
小篠 ある先生が教えてくれましたが、エネルギーは人にあげればあげるほど泉のごとく湧いてくる。出し惜しみをしたら古くなって、すえてくるんですって。それならどんどん人に会いましょう。皆さんが私の喜ぶ顔を見て、また元気になってくだされば幸せです。
藤本 本当にそう思います。
小篠 大阪人はよく「ギブアンドテイク」という言葉を使いますが、私は「ギブアンドギブン」やと思います。商売もそう。子育てもそうです。
藤本 子どもに期待して見返りを求めてしまう親も多いですね。
小篠 それは親のエゴでしょ。「勉強せえ、勉強せえ」言うのは、子どものためやない。自分のためです。
藤本 子育てという言葉が出ましたが、小篠家の子育て論を教えていただけますか。
小篠 ホンマに何もせえへん母親でした。子どもは放っといたらええんと違う? かまい過ぎるから変になるんです。私はどこの学校行ってほしいと言ったこともない。「行くとこ行ったらええ。なるよーになるのが、ええ運命や」と思ってます。子どもはええ運命を持って生まれてくる。運命を変えてしまってはもったいない。
藤本 親はわかっていながらつい、口を出してしまう。私もそうです。反省…。
小篠 子どもは野放図が一番。勝手に力を付けて、自分の道を見つけてきます。今までも、子どもに「あかん」と言ったことはありません。
藤本 危なっかし過ぎて、見ていられないことはありませんでしたか?
小篠 それでも、見て見ぬふり。ヒロコの最初の結婚のときも男前過ぎて「こりゃあかんな」と思いましたけど、何も言わへんかった。そしたら案の定、3人も彼女をつくって…。そのときも心を鬼にして「自分で選んだんやから苦労して責任とれ」と言ったんです。
藤本 口出しをしないことほど、難しいことはありませんね。
小篠 我慢せな。それが本当の愛情やと思います。子どもに愛情のない親なんていません。心配だから口を出すでは、子どもはいつまで経っても自立できません。「苦労は買ってでもせえ」言うて、最後に笑う女になったらええんやから。自分の責任で結婚した以上、ダメなら自分でどうするかを考えるでしょう。もし本当に悩み苦しんでいたら、そのときこそ一緒に悩んでやればいいんです。
藤本 それは愛情と同時に「信頼」ですね。
小篠 親が子どもを信頼するからこそ、子どもも親を信頼するようになるのです。他人さんは親ほど大きな愛情を注いでくれません。本当の愛情が欠けているからこそ、親子の関係がおかしくなるのでしょう。だとすれば、親子間の問題も、親が子どもを信頼することから解決の糸口が生まれるものだと思います。
藤本 今の母親たちに、何かメッセージをいただけますか。
小篠 子どもに負けんように強いお母さんにならんと。間違うたこと言うたら、子どもは絶対ついて来ませんよ。大人であっても、正直な心が一番や。いつも堂々と。
藤本 誇りに思えるお母さんって素晴らしいですよね。
小篠 私も必死でやってきました。仕事も育児も生活も。そんな私の突っ走る後ろ姿を見て、娘たちは大きくなりました。
藤本 「私たちの人生のお手本はお母ちゃん」と言わせるその影響力は、半端じゃありませんね。
小篠 こういう性格ですから、何でもとことんです。仕事も家庭も、恋も遊びも。私は彼女たちの母親であると同時に、ひとりの女であり、人間でもありました。ですから、娘たちとはよくも悪くもひたむきに真剣に戦ってきました。親子で戦うだなんてたいそうなと思われるでしょうが、母親にとって、子どもを育てることは戦い以外の何物でもありません。男の人が会社を戦場と呼ぶのと同じです。
藤本 それは愛情と同時に「信頼」ですね。
小篠 親が子どもを信頼するからこそ、子どもも親を信頼するようになるのです。他人さんは親ほど大きな愛情を注いでくれません。本当の愛情が欠けているからこそ、親子の関係がおかしくなるのでしょう。だとすれば、親子間の問題も、親が子どもを信頼することから解決の糸口が生まれるものだと思います。
藤本 今の母親たちに、何かメッセージをいただけますか。
小篠 子どもに負けんように強いお母さんにならんと。間違うたこと言うたら、子どもは絶対ついて来ませんよ。大人であっても、正直な心が一番や。いつも堂々と。
藤本 誇りに思えるお母さんって素晴らしいですよね。
小篠 私も必死でやってきました。仕事も育児も生活も。そんな私の突っ走る後ろ姿を見て、娘たちは大きくなりました。
藤本 「私たちの人生のお手本はお母ちゃん」と言わせるその影響力は、半端じゃありませんね。
小篠 こういう性格ですから、何でもとことんです。仕事も家庭も、恋も遊びも。私は彼女たちの母親であると同時に、ひとりの女であり、人間でもありました。ですから、娘たちとはよくも悪くもひたむきに真剣に戦ってきました。親子で戦うだなんてたいそうなと思われるでしょうが、母親にとって、子どもを育てることは戦い以外の何物でもありません。男の人が会社を戦場と呼ぶのと同じです。
藤本 社会の中では、それが、なかなか理解されませんね。
小篠 女が男のように堂々と生きていくのは今もむかしも大変です。でも私は、父の教えを信じて洋装の道一筋に生きてきた。泣き言をいったこともありません。むしろ苦しいときほど、なおさら自分に喝を入れ、自信を持って生きる姿を、子どもたちに見せてきたつもりです。
藤本 私は、それこそ本当の「子育て」だと思うんです。娘さんたちは、女が自立することが当たり前の環境の中で育ってきたからこそ、今のご活躍があるんでしょうね。
小篠 去年の6月15日に88歳の誕生日を迎え、東京ではジュンコが、大阪ではヒロコが米寿を祝うパーティーを開いてくれました。たくさんの方が集まってくださり、そこでは初めて娘たちが「母の生き方が自分たちに生きる力と勇気を与えてくれた」と、私を讃えてくれたのです。こんなに幸せなことはありません。自分に正直に生きてきてよかったと、心から思いました。
藤本 最高にうれしいメッセージですね。
小篠 私は母親失格です。大した子育てもしていないのに、いつの間にか大きくなりました。この子たちこそが、私の生きてきた証。私の生きた財産だと思いました。
藤本 体を張って見せてきた「母親の生きる姿」があったからでしょうね。
小篠 いいえ。私が子どもを育てたのではなく、私が子どもたちに育てられたんですよ。