藤本 早速ですが、アイスランドの旅はいかがでしたか。
こやま 今回はオノ・ヨーコさんから、日本アイスランド協会に「イマジン・ピース・タワー」披露イベントの招待があり、私にお誘いの声がありましたので、参加しました。故・ジョン・レノンさんのお誕生日、10月9日の夜、モニュメントから全世界へ向け平和を呼びかけたのです。
藤本 ニュースは日本のマスコミでも報道されていましたが、実際にその場にいらして、いかがでしたか。
こやま 報道関係者を含め約600人が、水、空気、土壌のすべてが美しいアイスランド、レイキャビック沖に浮かぶヴーズエイという小島に渡り、暗くなるのを待ちました。点灯され、夜空に伸びた光は天にも届きそうで、それは感動的でした。
藤本 夢のような空間でしょうね。外国へはよく行かれるのですか。
こやま ほとんど取材ですが、これまでに28か国に行きました。もともと詩や童話、エッセイを書いていましたが、1997年、国際NGОフォスター・プランの60周年事業に声をかけていただき、『夢につばさを 世界中の子どもたちに』という本を、印税の一部を寄付する「キャンペーン・ブック」として出したんです。そのときはベトナムへ行き、大勢の子どもたちに出会いました。
藤本 途上国の子どもたちを救おうという活動ですね。
こやま 十分な食べ物も水もない、医者や薬もない、学校にも行けない…。そんな問題を解決していく「フォスター・プラン」の活動を物語にして紹介。その後も、『ねがいをのぼる太陽に 学校に行かせて』(日本航空文化事業センター)、『地雷のあしあと ボスニア・ヘルツェゴビナの子どもたちの叫び』(小学館)などの「キャンペーン・ブック」を手がけ、それぞれ、日本ユニセフ協会、日本赤十字社の活動資金となりました。バングラデシュや、ボスニアの地雷地帯にも行きましたが、想像を超える現実を前に、どうしていいのかわかりませんでした。私たちにできることって、本当に限りがあるなと思いましたね。
藤本 私も絵本を拝見し、改めて「幸せ」の意味を考えさせられました。取材も命がけだと思いますが、ペンで社会貢献とは、とても意義のある活動ですね。
こやま 私は文字が好きだから、戦争という現実の中で子どもたちが必死で生きているという現実を、大勢の人に文字で伝える役目があるのかもしれません。でも私たち作家は、声をかけられて初めて仕事になるわけですから、良い編集者との出会いに感謝しなければなりません。
藤本 平和をテーマにした本が多いのですが、ほかには、どんな作品をつくられているのでしょうか。
こやま 『名作へのパスポート』では世界各地を取材。『赤毛のアン』や『ああ無情』、『嵐が丘』や『ハイジ』など、世界の名作のストーリーから作品が生まれた背景と魅力、作者を紹介しました。赤毛のアンの舞台、カナダのプリンス・エドワード島には土色の道が続き、紅葉が素敵でした。ここで物語が生まれた必然性を感じました。アンの髪はブロンドではなく、赤かった理由がね。
藤本 そんな風に名作を読んでいけたら楽しいし、より深い感動があるのでしょうね。子どもの頃のこと、この世界に入られたきっかけについて教えてください。