2004年pagoda新春特別企画
地域活動を通したまちづくり
私たちの住む金沢区には、地域活動を支えるたくさんの公共施設がありますね。でも意外に、どんな方々がどんな活動をしているのを知らない方も多いと聞きます。そこで今回は、能見台地区センターとケアプラザを拠点に活動する住民の皆さんと、施設の職員の方にお集まりいただき、それぞれの活動や地域の状況などを伺いました。また、西柴中学校の「総合的な学習」の取り組みを取材し、これからの「まちづくり」について考えてみました。
歴史も長く、活発な地域活動
司会: まず、能見台地区センターと、ケアプラザの様子を教えてください。
淺川: たくさんのグループがケアプラザを利用してくださっています。配食サービスでは、「まごころ会」のほかに「金沢東部地区社協・配食グループ」、ミニデイサービスの「つどいの会」、「ゆうわ会」。また、障害者支援、体操など定期的な活動をしている団体も数多く、利用者は年間1万人にのぼります。現状は高齢者主体になっていますが、今後は、子ども、障害者、子育て中のお母さんたちの支援にも力を入れていきます。現在は「支えあい連絡会」や、今春完成予定の施設「りんごの森」との連携も計画中で、ボランティア連絡会と地域の小・中学校の先生たちを結ぶ連絡会を年数回開催、相互をつなぐお手伝いをしています。もともとボランティア活動が盛んなこのエリア。それを後押しするのが私たちの仕事です。
関口: 近くに、ビーコンヒル能見台という集合住宅を控え、子どもの数が多いのが特徴です。一方で、周辺の住宅地には高齢者、しかも、元気で意欲的な方が多いですね。現在、地区センターには、793のサークルが登録しています。センターの部屋稼働率は区内第1位。地域活動は、大変盛んな地域といえるでしょう
司会: 地域活動をしていて、よかったことを教えてください。
森井: 配食サービスの活動は、もう10年になります。それぞれができることを楽しみながらやっているので、長続きしているのかも知れません。そのあたたかさをお弁当に込めることで、業者のものとは一味違い、喜んでいただけているのではと思っています。私自身、誰かのお役に立ちたいと思っていましたが、実はその反対で、活動を通じてたくさんのものをいただいています。また、一緒に作業することで、メンバー同士の絆ができましたね。
氏家: 自分の楽しみでやっていることを喜んでくれる人がいるということは最高です。長く活動を続けていますので、今では、昔、私の話を聞いた子どもたちが、母親になって子どもを連れて来てくれたり、活動をお手伝いしてくれたりすることも。大きくなっても覚えていて、お手紙をくれる子もいるんですよ。活動を通して人が出会い、さらに輪が広がっていくのが面白いですね。また、何といっても、子どもたちの笑顔を見るのが楽しみで。だからやめられない(笑)。
小室: 昨年、私たちが主催したイベントにはシニアの方々にもご協力いただいたのですが、とてもいきいきとされていて、地域の子育てを一生懸命に考えてくださっています。このように、世代を超えて地域の方々とつながっていける環境には、感謝したいですね。私は子育て現役世代という強みを生かして活動していますが、今後は、地域のさまざまな世代の人を巻き込んでいき、いろいろな切り口で企画したいと思っています。
飯田: 私たちも、「子育て中でも、何かしたい」と始めたサークルです。演奏会などで、日ごろの練習成果を発表できるのはとてもうれしいことですね。地区センターのクリスマス会に参加したときに、たまたま聴いてくださった方が「自分も歌いたい」と活動に参加してくれました。これからも、そういう機会を増やしていきたいですね。
活動のきっかけと内容
司会: 何をきっかけに、地域活動を始めたのですか?
下津: 以前住んでいた所では、子どもとシニアを結びつける交流の場をつくっていたのですが、こちらに引っ越してしばらくは、地域のことは何もわかりませんでした。パソコン教室を開いたのをきっかけに、生徒さんたちから情報を得て、地域活動も場所によって差があることを知りました。そこで、能見台に「地域の交流の場をつくりたい」と思い、「サロン21」という会を立ち上げたのです。
門口: 私自身も定年を間近に、「自分がいかに地域を知らないか」ということに気づきまして。それではまずいと、「会社人間のお父さんたちを地域に引っ張り出そう」という目的で会を始めたんです。口コミでかなりの反響がありまして、現在、メンバーは200人にもなりました。「きっかけさえあれば出ていきたい」と思っている人は、まだまだいるでしょう。
森井: 私の場合は、子育てが一段落して、「何か始めたいな」と思っていたときにたまたま誘われました。グループには、私のような方もいれば、子育て中の若い方もいます。
司会: 地区センターで人気があるのは、どんな活動ですか?
関口: カラオケサークルが一番多くて、121グループ。そのほかの音楽サークルも活発です。また、卓球や体操など、運動や健康をテーマにしたサークルも人気です。センターでは、「子どもに対する事業」と「元気で長生きをするための高齢者向け事業」を柱とした自主事業を充実したいと考えています。ウォーキングも人気が高く、年に4回実施しています。「横濱金沢シティガイド協会」の協力を受け、金沢の歴史を学びながら歩くのですが、10キロくらいは平気で歩けてしまいます。
門口: うちの仲間にも、ハイキングのグループがあります。我々は、やりたい人が自分で手を上げて仲間を募るという方法で、さまざまなグループが多彩な活動を展開しています。中には、単発で参加できるものもあります。面白いところでは、「企業見学」なども連続でやっていますが、人気がありますね。
氏家: 子ども向けの「おはなし会」や「手づくり教室」も、人気がありますね。
飯田: 定年を迎えるお父さんも、大変な子育てに追われているお母さんたちも「何かやりたい」と思っている点では、同じですね。
司会: では、やりたいことが見つからないときにはどうしたらいいでしょう?
門口: 何かが見つからないときは、子どものころの夢を思い出してみるといいそうですよ。
下津: 「自分探し」という言葉もありますが、男性は、こういうことに消極的な方が多いですね。私の教室も圧倒的に女性が多いのですが、メールひとつにしても女性の場合は、「あの人に送りたい」といった目的がはっきりしているから積極的ですね。
門口: 男たちは、地域にはほとんど縁がないですからね。急に「地域参加」といっても、妙な戸惑いがある。その点女性は、ずーっと地域に根ざした活動をしているからかないません。
関口: 実際、地区センターには、「高齢者のできることが少ない」という声もあります。
氏家: 今年度、私が関わる事業に「わんぱく塾」というものがあります。子育てを終えた世代が、今の「子どもたちを、もっと自然の中に引っ張り出そう」という自主的な活動です。地区センター以外にも、地域にはいろいろな動きがありますよ。とりあえず、参加する一歩が大事ではないでしょうか? それから、何事も人との関わり、ネットワークが大切です。
関口: 私たちは常に、初めての方にも参加していただけるような自主事業を企画したいと考えています。それには、多くの利用者の声を聞き、反映したいと心がけています。窓口の職員に相談していただければ、サークルを紹介することもできます。現在は、月に一度くらいしかご利用いただけない状況ですが、活動の場(会場)にお困りの方が多いので、利用方法については改善していければと思っています。より使いやすいセンターにしていくには、利用者の声が一番です。ご要望が多ければ、実現できることもあるでしょう。
これからのまちづくり
司会: どんなまちにしたいと思いますか?
下津: もっと異世代交流ができるといいですね。そのためにも、いろいろなグループの出会いとなる、このような機会を増やせたらいいですね。
飯田: そうですね。今日も新しい出会いがありました。ここから何かが生まれ、協力し合えたらいいですね。

座談会を終えて

座談会終了後も話がはずみ、何やら新しい企画も生まれそうな様子。それぞれが自分でできることを発信し、継続していくことで、それぞれの輪が共鳴し、やがて大きなウエーブになっていくのですね。能見台エリアは、もともと地域活動が活発で意欲的な方が多い地域です。その人たちが出会うたまり場として、名前の通り、本紙パゴダがその役割を果たしていけたらと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

≪参加者≫
ハロー・ルーム 氏家總子さん
コーラル・ベル 飯田知子さん他3名
サロン21 下津啓誠さん
生涯現役かなざわ会 門口泰宣さん
そらいろえのぐ 小室桂子さん
まごころ会 森井章子さん
能見台地域ケアプラザ コーディネーター 浅川邦子さん
能見台地区センター 指導員 関口正さん
司会 パゴダ実行委員会
■子どもたちに伝えたいことがいっぱい
ハロー・ルーム 氏家總子さん
30年前から地域活動を続けている。本紙2002年1月号のトップインタビューにも登場。「子どもたちの心育て」をテーマに、地域の子育てグループの支援を行う「ハロー・ルーム」を主催するほか、地区センターや小学校などで読み聞かせ、手遊びなどの教室を主催。PTAの母親たちを対象とした読み聞かせ方教室や講演会など、活動の場は多岐にわたる。「今後も子どもと向き合った活動をしていきたい」と、新たな企画にも参加する予定。
○連絡先 TEL045-783-3962
■設立27年、本格派女性コーラスに成長
コーラル・ベル 飯田 知子さん
「乳飲み子を抱えながらも、何かしたい」と、自然発生的にできた女性コーラスグループ。これまでに、全日本おかあさんコーラス神奈川県優秀賞受賞、関東支部大会では大会賞を受賞し、今では、本格的な演奏会を行うまでに。週1回の練習を中心に、地域ケアプラザ、地区センターなどでも地域活動を行う 。「機会があれば、どこへでも歌いに行きます」と意欲満々。7月10日にはコンサートの開催が決定。
横浜みなとみらいホール・小ホール(17:00開演)
○連絡先 TEL045-774-0243(飯田)
■地域の交流を目指して
サロン21 下津啓誠さん
1995年にビーコンヒル能見台に転居。1996年にパソコン教室を開いたのをきっかけに、地域の人との交流が始まる。能見台地区センターの開所に伴い、以前の居住地でも行っていた、地域のシニアと子どもたちをつなぐ交流の場「サロン21」の活動を復活。パソコン講習や、料理教室などを行う。IT講習会をきっかけに、同好会としてパソコンを学ぶ会を月1回、2年近く続けている。
○連絡先 TEL045-788-5874
■シニアの男性をもっと地域に
生涯現役かなざわ会 門口泰宣さん
サラリーマン時代に、隣近所の顔も知らない自分に気づき、がく然とする。このまま退職しても地域で何もすることがないと思い、「会社人間であるお父さんを地域に根づかせたい」と会を発足。10年以上活動を続け、会員200名の団体に。地域社会に貢献することを目標に、講演会などを開催。英語サークル、ハイキング、カラオケ、男性料理教室など、やりたい人が主体となってさまざまな活動をしている。単発で参加できるものもあり。
○連絡先 TEL045-773-6074
■お弁当にたくさんのハートを込めて
まごころ会 森井章子さん
子育てが一段落したのをきっかけに、配食サービスの「まごころ会」の活動に参加。調理を担当して8年を過ぎた。会としては火・金の週2回60数個のお弁当をつくって安否確認を兼ねて、近隣の高齢者の世帯に配達している。調理スタッフ約90名、配達スタッフ約100名で構成。60代が中心。楽しみながら活動していることが長続きのコツ。関わる人のあたたかい気持ちが込められたお弁当は好評。
○連絡先 TEL045-774-3550
■子育て現役ママのユニークなおはなし会
そらいろえのぐ 小室桂子さん
4年前にビーコンヒルに転居。当時、図書館に「おはなし会」がなかったことから、生涯学習の勉強会で出会った人と読み聞かせの会を始める。地区センターオープン後は、新たに能見台のメンバーと共に、幼・小学生を対象に月1回第3土曜日に「おはなしのへや」を行っている。楽器演奏とコラボレートした企画が好評。地域の人と共に活動楽しむことをモットーに、子どもから大人まで楽しめる場を目指している。
○連絡先 TEL045-781-2450