関東学院大学 サークルHEP代表 福田誠一郎さん
学生たちによる地域の環境づくり
身近なゴミ拾いがやがては大きなムーブメントに…

仲間と力を合わせて
 「今日も行ってきました」と笑顔で語るのは、関東学院大学人間環境学部2年の福田誠一郎さん。主にゴミ問題を通して人間環境について考え、活動するHEPという学内サークルの代表です。
 今から1年ほど前の福田さんは、大学生活にどことなく物足りなさを感じていました。
「それなりに楽しい毎日。だけど、入学前に思い描いていたものとは何かが違う…」。
 それに、日ごろから気になっている通学路の汚れ。たくさんの紙クズや空き缶。ポイ捨てや歩きタバコは、近所の幼稚園からの苦情も出ていました。
 「何とかならないか。人間環境学部の一学生として、自分にできることはないだろうか。ひとりの力では限りがある。でも、みんなが集まれば大きな力になる。まずは仲間づくりだ!」。

 思い立った福田さん、短大の卒業式前日に、ひとつの行動を起こしました。それは、金沢八景駅からキャンパスまでの道端に落ちているゴミを、徹底的に拾って歩くこと。「お世話になった先輩へのはなむけ」と在学生に呼びかけ、当日集まった約16名。あいにくの小雨模様でしたが、全員で黙々と行ったゴミ拾い。そして3時間後、見事に、まちは生まれ変わりました。
「きれい」は気持ちいい。そして、その環境はほかの誰でもなく自分でつくるもの。そんなごく当たり前のことに、参加者全員が気づいたのです。
 その結果、友人5人と共に立ち上げたのが、HEP(Human Environmental Project)。直訳すると「人間環境計画」ですが、キャッチフレーズは「毎日がアースデイ!」。環境問題を皆で考え、行動することによって、地域全体、地球全体に広げ、世の中を変えていくというコンセプトです。ちょうど、大学がISO取得に向けて動いていた時期だったことから、2003年6月に学内の環境サークルとして、本格的に活動を開始。学内環境にとどまらず、地域をはじめ、いろいろな所で活動することになりました。

金沢八景アースデイ
 アースデイ(地球の日)とは、1970年にアメリカで始まり、現在200か国で開催されている世界最大規模の環境保護活動(行動)。今では日本各地で広がりを見せ、さまざまなイベントが開かれています。
  そんな中、10月11日(土)に泥亀公園で開かれた「金沢八景アースデイ」は、HEP主催による初イベントです。当日は、行政・大学・企業の協力の下、大勢の地域の方が参加して、ゴミ拾い、フリーマーケット、ミニコンサート、リサイクルマシン体験と盛り上がりました。
  とくに、拾ってきたゴミを分別し、ペットボトルや空き缶をリサイクルマシンで処理するコーナーは子どもたちに大受け。フリーマーケットの一割引特典が当たるくじは、参加した主婦の皆さんには大評判でした。その模様は、ホームページでも紹介されています。

 「来年はもっと多くの人が参加してもらえるようなアースデイにしたい」。大変な苦労も、終わってみればリーダーとしてのやりがいや達成感につながりました。

 そして、「環境活動を通じ、自分をもっと大きくしていきたい」(2年石川和則さん)、「皆と何かをやり遂げる体験は貴重」(1年川村真理さん)と、メンバーそれぞれが自分の可能性を見つけています。彼らの熱い思いが周りを巻き込み、それは、いつか巨大なムーブメントになるでしょう。

世界を目指して
 「活動を通じ、たくさんの出会いがありました。人から学び吸収し、自分が変わっていく。これまで自分の考えを人にうまく伝えることができなかった人も、いろいろな交流の中で少しずつ変化し、積極的になってきた。これからも、人と人をつなぎ、その可能性を引き出すサポートができたらうれしいですね」と目を輝かせます。
 今後は、ゴミ拾いを中心に、地域やNPO、大学や横浜市とも連携し、世界を目指して活動を広げていくと、夢をふくらませる福田さん。
 「だからこそ自分から始めなければ何も変わらない。具体的に行動することが大切です」。
 今日もゴミを拾う彼ら。金沢のまちで見かけたら、声をかけてください。(取材/中曽根陽子)

HEP
[http://www28.cds.ne.jp/~neko-ze/c-1.htm]