ゆとりの暮らし提案
リフォームのウッドデッキに父と息子の夢を乗せて
小林一光さん(父) 小林大輔さん(息子)
父のセカンドライフ
「なんでこんなことをやってるんだろう?」
うだるような暑さの中、釘を打ちながら自らの人生を振り返るのは、金沢区柴にお住いの小林一光さん。60歳で大手製造メーカーの役員を定年をした今、息子の大輔さんと共にウッドデッキを生活の中に提案。住宅リフォームという畑違いの仕事に、現場で汗をかく幸せを実感しています。
「クーラーの効いた部屋で書類に目を通し、判を押す仕事。長いサラリーマン生活には苦労もありました。でも今の自分は何だ。自分はどれだけのことを周りの人々のためにしてきたんだろうと考えたら、なんかむなしくなってしまったんです」。1円のお金を稼ぐ大変さ、誰かの役に立てる仕事を、自信を持って続けることの素晴らしさを、息子から学んだといいます。
 肩書きを持った人生の大先輩である「父親」からの発言に照れながら、大輔さんは続けます。「外で遊ぶ場所がない今の子どもたち。そして大人たちも時間に追われ、ちっともゆとりがありませんよね。住宅の中に『ゆとり』や『遊び心』を取り入れることはできないかと考えたら、ウッドデッキだったんです」。

喜ばれる家をつくりたい
 子どものころからサッカー一筋だった大輔さん。「ワールドカップで世界のサッカー競技場を見て思ったんです。歴史もある、スケールもある、デザイン的にも機能的にもすぐれた数々のスタジアム。こんなすごいもの、人々を感動させるものをつくりたい」。
「建築」に興味を持った最初のきっかけでした。設計・建築の専門学校を卒業し、住宅メーカーへ就職。営業や施工を経験して感じたのは、営業と設計、そして現場の矛盾でした。いいものをつくりたいし、つくってほしい。けれども利益を追求すれば現実には難しい。住む人の顔も見ないで設計図を引くことにも大きな疑問を感じました。
「本当にお客さんの望むものをつくりたい」――弱冠28歳という若さで「リバティー工房」を起業、独立した大輔さんは、従来の建築メーカーのように「パターン」の中からプランを選ぶのではなく、お客様と一緒に一から話し合い、不満や不便、要望を聞きながら設計図を引いていきます。住宅やリフォームの多くのトラブルはここに時間をかけず、スケジュールやコストを重視してしまうために起こるのです。しかも、紙の上と現場のギャップから必ずしも設計図通りにいかない現実をごまかしてしまう業者が多い中、大輔さんはすべてをオープンにして、一つひとつ問題をクリアにしていきます。
お客様と一緒につくる
 リフォームは、今あるものを変えるわけですからセオリーがありません。すべてが現場解決主義なのです。だからこそ大輔さんが一番大切にするのは「セルフギルド」。つまり、業者に任せてつくらせるのではなく、「一緒につくる」のです。
 ものづくりは、難しさや苦労もありますが、それには代えられないいくつもの効用があります。第一に楽しいこと、そして愛着がわくことです。その楽しさにまずはお父さんが、そしてお子さんや同居していないおじいちゃんや近所のお友だちまでが関わり出すことも多いそう。
 現場を理解して、納得して解決していきますから、それは大きな補償と信頼につながります。こうしてできたテラスは、夢の結晶であり、家族からも大切に有効に使ってもらえるのです。
 先日手がけた家では、それまで一日じゅう家の中で遊んでいた4歳と1歳の姉弟が朝起きると真っ先にデッキに出て遊ぶようになり、表情も豊かになった。家庭の中が見違えて明るくなったといいます。また、お友だちの少なかった5歳の女の子の希望を叶え、マンションのベランダに彼女の好きなデザインでウッドデッキをつくると、毎日のように友だちを連れて来て楽しく遊ぶようになりました。
 設計図にはなかったけれど仕上げに一工夫と、2本のロープで吊るしたブランコや、フェンスに取り付けたベンチスペースを、「実はこんなモノが欲しかった」と大喜びされるなど、現場で生まれるアイデアがマッチングしたときは最高にうれしいと大輔さん。
「ものづくりの楽しさを共有できて、しかも喜んでいただいてお金までいただける。こんな素晴らしい仕事はありません」と、目を輝かせます。
地域のたまり場に

 ご自身の思いを重ね合わせ、地域の「何かやりたいと思っている」シニアたちとうまくコラボレーションできないかと企んでいるのは、父親の一光さん。
 地域に「遊び場」が消えた今、子どもたちが自然に集える場所として、親子のたまり場としての場づくりができないかと夢を広げています。
●お問い合わせは
TEL045-828-2587090-8819-8853

   
ウッドテラスの域を超え、アスレチックさながら
リバティー工房のコンセプトは「一緒に考え、一緒につくる」