大好きな人をモチーフに
知的障害者の地域作業所(横浜市鶴見区)で介護福祉士として働く池田利恵さんが、結婚を機に奈良県から能見台に移り住んだのは半年前のこと。
「本質的に、人と触れ合うことが好きなんです」という利恵さんですが、結婚前の職業が「ホームヘルパー」と伺って納得。
そして、当時の実体験をもとにつくられた一冊の絵本、それが『ピンクな老後』です。
心あたたまるストーリー『ピンクな老後』は、利恵さん自らが生み出した手法「テープ版画」で描かれたとっても素敵な大人の絵本。シートに色を塗り、その上に貼った業務用の幅広テープをこすってめくる「テープ版画」は、木版画の応用。その独特な画風は、鮮やかな色彩と、素朴なあたたかさにあふれています。
油絵が趣味だった父親の影響でしょうか。小さいころから絵が大好きだったという利恵さんが描く『ピンクな老後』には、ホームヘルパーを通して出会った、実在の人物が登場します。
主人公は、一人暮らしをする84歳の女性。
「外出するときは、細い細い足にストッキングを履き、ファンデーションを塗り、少し紅をさす。いつまでも女でいつづける人」と表される『彼女』は、
「生き方に、自信ではなく、『これでええんちゃうの?』という曖昧さを持っている」女性。
なってもかわいらしく、深い人間味を持ったあたたかい『彼女』に魅かれる、利恵さんの気持ちがとても素直に理解できて、それを読む私たちは心地いい共感を覚えるのです。
当時は、ホームヘルパーの仕事の傍ら、知的障害者のグループホームで利用者と一緒に絵を描いていたという利恵さん。
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その経験をひとつの物語として創作し、絵本というカタチにできたのはごく自然な流れのように見えて、実はとてもラッキーな出来事でした。新風舎の出版賞に応募したところ、見事、最優秀賞を受賞し、出版の幸運を射止めたのです。
いくつになってもかわいらしく、深い人間味を持ったあたたかい『彼女』に魅かれる、利恵さんの気持ちがとても素直に理解できて、それを読む私たちは心地いい共感を覚えるのです。
何気ない日常の中の小さな出会い。でもそれは、宝物のような素晴らしい出会いであると、さりげなく教えてくれるのが、利恵さんの豊かな感性です。
自分らしく生活をエンジョイ
 「ビーコンヒル能見台のエントランスはお気に入りの場所。ガス灯が燈ると一段と素敵です」と利恵さん。 |
ビーコンヒル能見台を新居に選んだのは、豊かな自然が決め手でした。「海が近いなんて夢みたい。奈良は海が遠くて、見る機会も少なかったんです」と利恵さん。
だから、もっぱら休日の楽しみは、パートナーと一緒の自転車ツーリング。野島公園や八景島は定番コース。金沢自然公園はお気に入りの場所です。
自転車で足を伸ばすと素敵な店を見つけることも多く、お茶や食事をするのも楽しみというおふたり。時には、出会った人や風景を描きとめ、物語にすることもしばしばです。
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また、利恵さんのお宅には手づくりの工夫がいっぱい。「すのこを茶色にペイントしただけ」というベランダのウッドデッキをはじめ、部屋のあちこちに飾られる装飾品のほとんどが利恵さんのオリジナル作品というから驚きです。
自分流におしゃれな暮らしを演出し、気持ちよく生活するスタイルが素敵ですね。
 紙粘土でできた「靴」と「エッフェル塔」のオブジェが玄関でお出迎え。ここにも生活を楽しむ工夫が。 |
絵本を通じてふれあいたい 「次は、ぜひ子ども向けの絵本をつくりたいと思っています。そのためにも、今年は積極的に地域の子どもたちと関わることができたら…」と話す利恵さん。
子育て支援の一環として行われている絵本づくりのイベントを通じて、子どもたちとふれあいたいと目を輝かせます。
能見台を舞台に、ベストセラーが生まれる日も近いかも知れません。そしてその物語の主人公は、あなたかも知れませんね。
 鶴見の作業所で創られたひのきの置物「ひつじ」。デザインは利恵さん。 |
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