先頃NHKテレビで放映された特番「だまされたい脳・マジックの快楽〜奇跡の指先 前田知洋の世界〜」では、そのマジックテクニックの高さもさることながら、ガイド役の脳科学者・茂木健一郎さんとのやりとりから、人間的な魅力が垣間見えて、大いに興味を引かれていたところ。
「マジシャンにとって一番大切なのは、マジックのタネではなく、観客を喜ばせ、観客に好かれることである。クロースアップ・マジックの第一人者・前田知洋を一流のエンターテイナーにした秘密は、絶妙な距離、間合いの取り方と、空気を読む力にあった!」と本の解説にもあり、意気揚々と取材にのぞんだ。
売れっ子マジシャンの処女作出版イベントとあって、会場にはファンと思しき方々が多数並んだ。女性に限らず男性も多く、子どもから高齢の方まで人気の幅広さを実証する中、拍手に包まれて颯爽と登場した前田さん。出版にあたっての編集者とのやりとりやエピソード、本のテーマである「プライベートエリア」の話を、仕事や人生体験を交え、1時間ほど楽しく語った。
「マジシャンという職業柄、学習しながら身につけた『観客との距離感』だが、上司と部下、営業マンとクライアント、または恋人や親子など、いろいろな人間関係づくりにおいて、この『距離感』がキーポイントになるのではないか」とひらめいたという。「ケータイやパソコンの普及に伴う人間同士のトラブル、個人情報の問題など、ますますコミュニケーションが難しくなっているこの時代だからこそ、それぞれがプライベートエリアを意識し、気持ちのいい人間関係をつくることができたら」と前田さん。
トーク中盤、お待ちかねのマジックを披露。あまりに華麗で完璧なマジックの数々に、客席はどよめきと拍手で沸いた。この日、カードマジックのパートナーに指名されたのは、小学2年生の松竹治くん。自分で引いたカードが消えたり、現われたりという、目の前で起こる摩訶不思議な光景に驚きと喜びの声をあげた。「マジックは面白かったし、前田さんはかっこよかった。サインしてもらったトランプは、部屋に飾りたい」と満面の笑顔で話した。
トークショーのあとサイン会を眺めていたが、一人ひとりにやさしく丁寧に接する姿に好感度200%! その後、忙しいスケジュールをぬって、「リブライフ」の取材にも応じてくれた。爽やかな身のこなしと歯切れのよい軽快なトーク。ソフトで謙虚な対応ぶりは、前田さんの誠実な人柄以外の何物でもない。
(スペシャル対談をご覧下さい)