オババの育児日記 たっくんに完敗ものがたり
たっくんは爆発だ。
先日、たっくんを連れて、川崎市にある岡本太郎美術館に出かけた。自分の子育て期は、娘たちを美術館に連れて行ったこともなかった、いや、ないこともない。一度だけ、パリのルーブル美術館に行ったことはある。娘たち(6歳、5歳、2歳)の記憶は、素晴らしい世界の美術品ではなく、その前にあった噴水で水遊びをしたこと。当然のことだ。ただ観光で行っただけで、私も芸術を愛でる価値観を持っていなかった。子どもに伝わるわけがない。今さらながら、未熟な母でした。
さて岡本太郎は、私が大好きな芸術家(というより人間)のひとり。たっくんは、「太郎君」をどう感じるだろうか。ちょっとした好奇心もあった。
美術館に入ると、異様な静けさと物々しい警備に、ちょっぴり緊張気味のたっくん。いつもなら、若いお姉さんを見たらすぐに愛嬌をふりまくのだが、絵の横で無表情に監視するお姉さんには、笑顔すら見せない。ここは特別な場所だということを瞬時に察知。2歳でも、ちゃんと場をわきまえることができるんだ。
私の率直な感想だが、岡本太郎にしては小さくまとまってしまった感を受けた。美術館だから仕方がないが、太郎はもっとダイナミックな空間(美術館)をつくりたかったのではないか。子どもから大人まで、すべての人間がここへ来ると、人間本来のエネルギーを感じてしまえるような、そんな普通の美術館ではない空間が欲しいな。
そんなことを考えていたとき、作品のひとつにたっくんが反応した。赤と青の「手の形をした椅子」だ。たっくんが座るには少し大きいが、たっくんはその椅子に必死によじ登り、座って見せた。まるで、お釈迦様が「ここへおいで」と手を差し伸べているような椅子。太郎の椅子に座り、満足気のたっくん。何かを感じたかのよう。
たっくんを見ていると、子どもは無限の力を持っているんだなぁと、つくづく思う。わが子育て期には気づかなかったことだ。その無限の力をつぶしてしまっているのは、やっぱり親に違いない。オババもそのひとりとして反省。
ここ数週間でたっくんの表現力が一気に増した。痛いよ、熱いよ、怖いよ、高いよ、きれい、だめよ、やばいよ…。一瞬、一瞬が感動。心と体がフル回転。まさにたっくんは、「毎日が爆発だ!」。たっくんの急カーブの「成長曲線」と全く背反する、私の「成長曲線」。これこそ人間の限界効用曲線。無限の力(夢)を持っている子どもの邪魔をしないようにしなくては。







