八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

2011年12月号

お母さんは大自然

本紙「お母さん業界新聞」を、お母さん大学のテキストとして創刊したのは4年前。あふれる情報に翻弄される母親たちに「もう余計な情報はいらない。一人ひとりのお母さんが、ただ母であることを感じることがすべて」そう伝えたくて新聞をつくり始めた。

けれども、豊かで便利な社会に生きる私たちには、大切なものが見えにくい。経済重視の社会は、人の心を蝕み、人と人とのつながりや絆を消していく。物事の優先順位は変わり、子育て環境は乱れる一方だ。子どもを虐待する、子どもを捨てる、子どもを愛せない母親たち。「お母さんの心」は、いったいどこへいってしまったのだろう。

私もそんな社会に負けそうになり、お母さん大学をついカタチにしたくなる。お母さん大学とは「一人ひとりの心の中にある学びの場」だと、伝えているというのに…。

カタチあるものなどたかが知れている。まだまだ修行が

足りない私…。

そんなとき、自然を見ればわかる。空も大地も、何も望まず語らず、ただじっと、私たちを見守っていてくれる。だがそんな偉大なる自然は今、私たち人間の手によって、破壊され続けている。人間は、なんと欲深いことか。人として侵してはいけない領域に入っていることを、震災や原発事故が教えてくれている。頭ではなく、心で聞かなければならない。

人間がつくる唯一の「自然」…。それはまさに、目の前にいるわが子。その素晴らしい自然を、私たち母親は産み出すことができるのだ。

自然だから、子は親の所有物ではない。でもそのことに気づかない親たちは、子どもをああしたい、こうしたいと望んでしまう。しかもそれこそが親の愛であり、子のためと勘違い。子どもをますます人工化し、ちっぽけな社会の歯車の一つにしていることがわからない。

空や大地のように、「無の心」で生まれくる子どもたちが、いきいきと育まれ、生かされる場は、もはや存在しない。学校や会社、政治や経済社会の中で、誰もが一番になりたくて、人を蹴落とし合っている。お金や地位が優先だから、夢も希望もない。そこに息苦しさを感じ、心を病み、命を落とす子どもさえいる。

はじめてわが子を抱いた日、はじめての一歩…。ただ生きて、ただ笑顔でいてくれたらと願ったあの頃…。

だとしたら、子どもという素晴らしい自然を産み育てている私たち母親が、「大自然」にならなくては。戦いに疲れたわが子が、還ってくる場所になるためにも。

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