八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

2010年8月号

未来をお母さんの歌声で包もう

はじめての子を持ったとき
女のくちびるから
ひとりでに洩れだす歌は
この世でいちばん優しい歌だ─

新川和江さんの詩「歌」の冒頭部分だ。

瀬戸市で開かれたお母さんたちのコンサート。舞台に立ったのは、お母さん大学音楽科「百万母力合唱団&百万母力オーケストラ」のメンバーだ。

母となり、楽器を手放した人、歌うことをやめた人…大好きな音楽をあきらめた人。素人の母親たちに、プロの音楽家も混じってのステージ。まだ自己満足の域ではあるが、本気の自己満足なら感動だ。

会場では、大きな拍手が母親たちを包み込んだ。それは、彼女たちの勇気を称える拍手。

本番前のリハーサル。ドキドキで歌う母親の足元で、ハイハイをする子どもたち。お母さんの歌声、胸の鼓動を聞きながら、会場の片隅で眠っている子。

かつて、親子のためのベートーヴェンオーケストラコンサートを主催したことがある。世界のトップアーティストが奏でる「田園」を聴きながら、会場で涙した母親たちが、今、舞台に立った。

母親がわが子のために歌う。それは柔らかな声で。

子にとって、母は世界一のアーティスト。大好きなお母さんの腕の中で、お母さんの歌を聴きながら眠る。いつしかその歌は、わが子への永遠の応援歌になる。

子育ては夢をあきらめることではない。子育てをしているからこそ、夢を描いてほしい。子どもは、親が夢に向かう姿を見て育つのだ。

会場の後方に、舞台に立つ母親の子どもの世話をする一人の女性。間もなく初めての出産を迎えるという。

ステージで歌う人、演奏する人、会場をつくる人、子どもたちを見守る人…。みんなが心をひとつにしてはじめてできた小さな音楽会。百万母力への第一歩だ。

いよいよ、百万母力のテーマソング「はじめての日」をダ・カーポが歌う。ボーカルの榊原広子さんは「この曲は特別」と。なぜなら、母として歌う曲だから。

日本中のお母さんのスイッチがONになる曲。母親たちの歌声で、未来を包もう。
(藤本裕子)

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