八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

2009年10月号

超売れっ子の子育て支援

政権交代で、ますます「子育て支援」に注目が集まり、「超売れっ子」の様相を見せている。最近は子ども産業にまで「子育て支援」の冠が付き、テーマパークもおもちゃ屋さんもみんな「子育て支援事業」などというから、いったい何がなんだか、さっぱりわからない。

子育てにやさしいホテル、子育てにやさしいレストラン、子育てにやさしいタクシー…。やさしくされるのはうれしいが、お客さんである子どもや母親に親切にするのは、商売としても、人間としても当たり前のこと。

最近では、大手スーパーが「子育て支援弁当」を売り出した。アレルギー表示や健康バランスを考慮した商品で、値段もお得というからありがたいことではあるが、考えたら、それも当たり前。

これ見よがしに「子育て支援」をうたわれると、なぜか本来の大切なことが、わからなくなってしまいそうな気がするのは、私だけだろうか。

さらに困るのは、子育て支援を受ける側の母親たちの意識である。親子の施設は無料で、子連れイベントなら保育付き。やってもらうのが当たり前だから、そこには感謝の気持ちもない。

先日、私の講演会での出来事だ。子どもを預ける母親たちは時間ギリギリに来て、子どもをぽいっと保育室に置き、「お願いします」もなければ、お迎え時に「ありがとうございました」の言葉もなかった。また別の講演会で、ある母親は「子どものアレルギーの有無を聞かれなかった」と、託児者の意識が足りないことを指摘した。

自分の子どもにアレルギーの問題があるなら、あなたから伝えるべきだと、私はその母親を叱った。

母親は、預かる側の責任と思っているが、2時間も、子どもを無料で預かってくれることに、感謝こそすれ、不満など言えるはずもない。

世の中がどんどんおかしくなっている。便利で豊かな上に、これ以上のサービスって何だろう? 本当のサポートとは、もっと別の次元にあるはず。だから、根本の「少子化問題」をストップさせるに至らない子育て支援策ばかりかと、言いたくもなる。

若い母親に「子育てをしているあなたにとって、一番必要なものは何ですか?」と尋ねると、彼女はちょっと考えてからぽつりと答えた。「心のよりどころです…」と。

日本中の子育て支援をしたい皆さん、もう一度、企画をご検討ください。

(藤本裕子)

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