八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

2009年9月号

親亀の背中に子亀を乗せて

20年前、一枚の小さな新聞をつくった。子育て真っ最中のときだった。編集の知識もなければ、文章も書けない私が新聞づくりに挑戦。当時ワープロで文章を書き、一つひとつの記事をハサミで切って、ノリでペタペタ版下づくり。不器用な私が新聞をつくるというと、近所の友だちが見かねて集まってきた。

完成したときは、足の踏み場がないほど部屋中紙切れだらけだった。幼い3人の娘たちは、夢中で新聞をつくる私を見て、何を思っただろう。それから今日まで新聞をつくり続けている。

昨年、この「お母さん業界新聞」を創刊した。溢れるほどの情報社会の中で、「お母さんの心」を伝える新聞なんて、売れるわけがない。だが、売れる、売れないではない。必要だと思うからつくる。お得なクーポンもなければマニュアル型の情報もない、あるのは「お母さんの心」だけ。中にはそれがわからない、そんなものはいらないという人もいる。それでもつくるのは、「お母さんの心」が、どれほど素晴らしいかを知ったからだ。

創刊号が完成したとき、まるでわが子を出産したかのような感動があった。でもその感動は、20年前の、あの小さな新聞が誕生しなければ、あり得なかったこと。

この秋、全国各地で、「お母さん業界新聞」地域版が元気な産声を上げる。地域が消えつつある今、活動は、決して容易ではないだろう。それでも「お母さんたちを笑顔にしたい」と、勇気ある母親たちが手を挙げた。

お母さんが10人いたら、10通りの小さな新聞(子)が誕生する。それはまさに、子育てと同じ。やんちゃな子、怠け者の子、走りすぎる子、わがままな子、勇気のない子、目立ちすぎる子、どんな子どもたちになるのか…。

親である「お母さん業界新聞」も、2年目の新米お母さん。子どもから多くを学び、子どもと一緒に汗をかきながら、成長していくだろう。

途中、挫折する子がいるかもしれない。でも、じっとしていたら何も始まらない。出会いもなければ、感動もない。行動する勇気を、子どもたちに伝えたい。

「親亀こけたら、皆こけた♪」になるおそれも…。だが、「親がダメだと子が育つ」ともいうから、私流でいこう。

私がみんなに伝えられるのはただ一つ。「お母さんはスゴイ!」ということ。つくればわかる。行動すればわかる。机やウェブでは、土や木の匂いはわからない。

学びの秋。新しい出会いに、心ときめかせている親亀の私である。

(藤本裕子)

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