八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

LIVE LIFE 2007年12月号/2008年1月合併号

母なる偉大なDNAを呼び起こす

随分昔の話だが、子育て真っ最中の頃、大学の通信教育を受講していた。白状すると、勉強がしたかったわけではない。子育てをしている「母親」だけではなく、ひとりの「私」でいたかったのだ。全く不届きな話。卒業までに10年かかった。その間に3人の娘が生まれたというのは言い訳だが、卒業式には3人を連れて出席。卒業証書よりも、娘たちが一人前に歩けるようになっていたことに感動したのを覚えている。

当時、勉強時間欲しさに、子どもたちを少しでも早く寝かせようと涙ぐましい努力をしていた私。あるときは、昼寝をさせずに夕飯を早くして、8時に床につかせるという作戦。末娘は限界で、居眠りしながら夕飯を食べた。悪い母親だと後ろめたさを感じながらも、ようやく手にした自分の時間。だが一日の疲れは私も同じ。机についても、1ページもテキストを読まないうちに睡魔が襲った。

大学を卒業しても3人の子持ちに仕事はない。一体、何のために勉強したのだろう…。だが、そのおかげで、トランタン新聞社がスタートした。「子育て中は何もできない」から、「子育て中だからこそできること」と発想を変えると、一気に人生が変わっていった。子育てという環境が、今の私をつくったといってもいい。

それを明確にしてくれたのは筑波大学名誉教授、村上和雄氏の『生命の暗号』(サンマーク出版)。氏によると、遺伝と環境の相互変化によって「人は人となる」。つまり、私の場合、子育てという環境から、それまで眠っていた遺伝子スイッチが「ON」になり(目を覚まし)、さらに新聞をつくるという環境によって、母なる遺伝子のスイッチが「強」になったというわけだ。私の中にある「お母さん」(人間)という遺伝子か、DNAかわからない、見えない「何か」にワクワクしている。

氏の言葉によると、人間の体内には60兆もの細胞があり、その膨大な生命群は、ぎっしり隣接しながらケンカも混乱もせず支え合って生きている。だが地球上の人間は、ケンカやいじめを繰り返し、訴訟、戦争と、トラブルが耐えることはない。体内の小さな生命たちは、見事に調和して、それぞれ自律的な生命を営みながら互いに助け合って組織をつくっているというのに。

偉大なる生命…。何億万分の一の確率で誕生する人間の命。 そして、神の技を持つ、母という偉大なる存在。「お母さん」について、とことん追及したい。

スイッチがONになると、不思議とこれまで関心のなかったものに興味がわいてきたり、物事の本質が見えてきたり。今までとは確実に違う「何か」が、私の中で蠢き始める。

学び…広大な未知の世界へ続く道、そして出会いの一歩。日々の生活の中で「母」である本当の喜びを感じること…。日本中のお母さんたちの「母なるDNA」のスイッチをONにするのが、お母さん大学の役目かもしれない。

感動は、母親たちのすぐそばにある。

(藤本裕子)

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