八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

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LIVE LIFE 2007年5月号

命の誕生は、神秘的な営み

長女の2人目の赤ちゃんが9週目で流産した。まさか娘にそのような事態が起こるとは想像だにしなかった私は、うろたえた。

娘からその報告を聞く前に、主治医の池川先生から「たった今、診察を終えて病院を出た」という電話をいただいた。冷静でいたつもりでも、何をどう先生と話したのか全く記憶にない。ただ、池川先生が日頃からよく語っている「流産もお産と同じ」という言葉と、『胎内記憶』のDVDの中にある「流産」を経験した母親たちの顔が繰り返し浮かんでいた。流産した悲しみよりも、母である喜びに満ちている彼女たちの姿が印象的だったから…。

話し合いの結果、「自然に産む」ことを選んだ娘夫婦。もし池川先生と出会っていなかったら、社会の常識通り手術で処置をしたに違いない。

正直なところ不安はあった。インターネットの情報は手術の方法と金額がばかりで、「自然流産には激しい腹痛が伴う」「大量に出血する」と不安を煽るものも多かった。

「すべての赤ちゃんは、使命を持って生まれてくる」と池川先生。だとしたらこの流産は、娘夫婦、そして私に何かを伝えているのかもしれない…。

本来、母親には「自ら命を産む力」が備わっているはずだ。だが経済重視の社会の中で、お産のあり様も変わってしまった。「安全」という大義名分のもと、母子の「産む力」「生きる力」を無視したお産が、堂々と行われているという現実。医師から説明を受け、自ら納得したお産をしている母親がどれだけいるのだろう。

母親力の低下は、ひとつの社会問題である。そこに、現代のお産が大きく関与しているとはいえないだろうか。ある意味、お産の現場は、現代社会の縮図でもある。生まれる瞬間から管理された子どもたちは、学校という場で管理され、そして家庭でも管理される。それを窮屈と感じる一部の「感性」の強い子どもは、管理社会から逃れようとし、中には自ら命を落としてしまうことすらある。子どもたちの心の叫びを聞けるのは、子どもたちの命を救えるのは、「母親」しかいない。そう信じている。

頭でわかっていたつもりの私も、娘の流産をきっかけに身にしみて考えさせられた。だからこそ今、ひとりでも多くの母親たちの「母力」を蘇らせたい。世の中の常識や価値観ではなく、自分の価値観を信じることがすべてだ。ここまで侵された世の中で、それは決して容易なことではないが、それこそ親の使命たるもの。命の誕生の歴史を考えれば、世の常識が、いかに陳腐なものかは明々白々だ。その神秘的な営みである「お産」を、真剣に考える時が来ている。

本当のお母さんになるということ││それは、言葉では言い尽くせないほどの幸せへの道につながっている…。

(藤本裕子)

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