八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

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LIVE LIFE 2007年3月号

大阪ありがとう

2002年から制作を担当している大阪市の教育情報誌『教育大阪ビーボラビータ』(以下ViVi)。5年間の制作活動に終止符を打つことになった。教育改革の嵐が吹く中、行政と民間が協働する革新的な教育情報誌として、ViViは産声をあげた。「学校と家庭と地域をつなぐ」というコンセプト。その手法は、これまでの教育誌にありがちな行政主体の発信から、地域の母親たちへの発信と、パラダイムシフトした。

今思うと、毎月60頁の月刊誌をつくる力が、当時のトランタン新聞社にあったかといえば、正直疑問。私たちを採用してくれた当時の財団法人大阪市教育振興公社の皆様には、どれほどの出会いと学びの場を与えていただいたかわからない。同時に、教育現場の混乱も学んだ。ViViの制作がなかったら、私の価値観もまた違っていたかもしれない。何より驚いたことは、ViViに関わってくれた母親たち(ViViレポーター)が、この情報誌を通じて、どんどん意識を上げていったこと。その姿に感動したのは、誰より私にほかならない。

横浜の私たちが大阪の情報誌をつくることができたのは、そのお母さんたちがいてくれたからだ。そのひとりに宇賀佐智子という素晴らしい母親がいる。創刊号から最終号までViViに関わり続けてくれた唯一の人だが、横浜と大阪という600キロの距離を超え、常に編集部の判断を信じて忠実に動いてくれた。時には、理不尽なこともあったと思う。それでも最後までがんばれたのは、誰よりこのViViの素晴らしさを感じている人だからに違いない。彼女こそ大阪の誇りであり、そしてトランタンの誇りでもある。

地域の中で母親がペンを持つ意味、そして責任。取材を通じて、またその後のやりとりの一つひとつが学びの場だった。世の中のさまざまな価値観に翻弄された日、憤りや矛盾、闘いもあったが諦めもあった。けれども、日々生きている実感があった。

先日、これまでViViを支えてくれた方々に、ViViの終わりを告げると、「今まで、大阪のためにありがとう」と言われた。1人や2人ではない。大阪って、つくづくいいなと思った。今になってただひとつ気になるのは、こんなに多くを与えていただいたのに、大阪の人たちにまだ何も恩返しできていないこと…。

5年前の入札説明会の日、「横浜の私たちには到底無理だろう。たこ焼きでも食べて帰ろうか」と思ったあの日が懐かしい。

昔、お世話になったある方から言われた言葉を思い出した。「あなたが活動を続けることが、今日まで支えてきてくださった方への、何よりの恩返しよ」と…。

17年間の活動を振り返り、まだまだ至らなさを感じるばかり。私にできることを、これからも続けていきたい。

(藤本裕子)

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