八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー

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LIVE LIFE 2005年10月号

不自然なお産

「生命の誕生は、宇宙とつながっているとしか思えない…」。

産婦人科医師として50年間、2万件という膨大な数のお産に立ち会ってきた吉村正先生。お産の哲学、さらに女性の生き方に魅了された吉村氏は、お産を通じて「生きる」ことの素晴らしさを知り、今なお「真実のお産」に全身全霊をかけて生きている。

氏の言葉(言霊)が、痛い私。お産も経験した。子育ても経験した。女であり、母親でありながら、私は一体何を感じていたのだろう。お産の偉大さに、どこまで夢中になれたのだろう。

まるで子どものように、まっすぐに語るお産の素晴らしさ。ひとかけらの嘘もない吉村氏のお産学は、今の医学とは対極にある、衝撃的なものだった。多くの人々が信じている、安全・安心の意味が、どこか違っていることに気づかされる。

データや知識をもとに行う現代医術をも経験し、氏がたどり着いたのは、究極の「自然なお産」。子どもを産む母親自身の生活と食べ物と心の有り様で、全く違ったおおらかなお産を迎えることができるという。

出産直後の母子の満ち足りた笑顔と、強い絆。映像を通して伝わってくる真実に、説明はいらなかった。

私も、もうひとり産みたい…、心からそう思った。

自然なお産を経験すると、その後の親子関係、家族関係が見事に好転する。お産をきっかけに、すべての世界を幸せにすることができると、氏は断言する。

「数字と文字ばかり。生きてあることを教えない、今の教育がすべてをダメにした」。

「生きてあること」とは、すべてをありのままに受け入れ、感謝し、心安らかに命を継いでいくこと。現代の教育では、宗教感を与えず、データとマニュアルばかりを教えてきたために、人間が「感じる心」を失ってしまった。

100万円を支給すれば、待機児童数を減らせば、子どもを産むだろうという、ばかげた国の少子化対策。大切なことは、すべての女性たちが、女である喜び、母親である素晴らしさを感じることなのに。

腐った教育やおかしな常識、間違った社会のシステムがどんどん自然を破壊し、人間の心を破壊していく。生まれてくる命だけではなく、自分たちの命さえも。

たとえ政治家や医者が気づかなくても、私たち母親は、今こそ気づくべきではないだろうか。

そして、「不自然なお産」を選んでいるのも私たち自身であるということに。 

(藤本裕子)

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