八面六臂 藤本裕子の辛口エッセー
LIVE LIFE 2004年5月号
自分の居場所はどこ?
目に見える数字だけで、全国に13万人もいる不登校の子どもたち。 そのためのスペースが全国各所に誕生している。フリースクールという名もあれば、〇〇塾というものもある。
ある所は、パソコンとゲームを置いただけの部屋。それに興じる子どもと、交替でサポートをするボランティアと話す数人の子どもたち。
プログラムひとつないこの場所が、子どもたちにとっては「自分の居場所」。
何もない所で、子どもたちは時を過ごす…。それでも学校よりは、はるかに居心地がいい。
学校という場で、自分の居場所を見つけられない多くの子どもたち。子どもたちが行けない、行きたいと思えない学校って、一体何だろう。
子育てをしている母親も、また同じ。自分の居場所が見つけられないまま、「子育て」という枠にがんじがらめになって、親子で苦しんでいる人がいる。深刻化する虐待問題の、解決の糸口も見つからない。
自分の居場所って、どこにあるのだろう…。 ある本にあった「不登校の子どもを学校に戻すのではなく、人間に戻そう」という言葉に、ハッとした。
子どもを「人間」に戻す…
母親を「人間」に戻す…
今の教育に足りないもの、今の子育て社会に足りないものは何? 一人ひとりが、真剣に考えるべき時が来ている。
なぜなら、苦しんだり悲しんだりするのは、いつも弱い立場の子どもたち。本来なら守るべき存在なのに…。
人間になれる場所ってどこ?
そこが、本当の自分の居場所かも知れない。
(藤本裕子)







